FXと株式投資どっちが良いの?それぞれの違いや特徴などを細かく解説してみた

株式

「FXと株式投資はどちらが良い」のだろうか。本業にせよ副業にせよ、個人投資家としてトレードに挑む以上、誰しもが1度は考えた「株か、為替FXか」問題。

結論から言えば、トレーダーになるなら、為替も株式も両方見るべきです。なぜなら、為替は株価へ影響し、株価は為替へ影響するからです。

ですが、どちらからスタートするべきか、またどちらを本業として取り組むべきなのか、という点では優劣をつけることができます。

もちろん、トレーダーとして成功していく過程では、株かFXかどちらが良いかなどはなく、何れにせよ、為替も株も両方をみるようになります。為替を理解することで株価の動きが理解できますし、株価の動きを見ながら為替のトレードをすることも多いからです。

そのため、今回はまず全体像として、為替と株の違いに関して述べていきます。

FXと株式投資のメリット・デメリット一覧

まずは、為替FXと株式投資のメリット・デメリットを簡単にまとめました。

メリット デメリット
FX
  • ほぼ平日24時間やっている
  • 少額からも可能
  • 倒産がない
  • 最大25倍の高レバレッジが可能(株は信用取引で3倍)
  • 毎日、スワップ金利がつく
  • 銘柄選びの時間をかけずに済む
  • 流動性が高い
  • ストップ高、ストップ安など値幅制限が存在しないため、ショック時は大きく変動してしまう
  • テンバガー(10倍)はほとんどない
  • 銘柄は株よりも少ない
  • FX会社によって異常レートが配信される可能性もある
  • 長期投資には不向き
  • 行きすぎると、必ず戻ってきてしまうため、いつか決済しないといけない
株式
  • 株主優待がある
  • テンバガー(10倍株)もある
  • 企業が自動投資するから複利を働かせやすい
  • 株価に上限がない
  • 経済成長をし続ける以上、株価は上がり続ける
  • 特定口座源泉徴収があるため税申告が簡単
  • GPIF、日銀ETF買いなど公的資金の流入が見込める
  • 板取引なので透明性が高い
  • 倒産や上場廃止は実質紙切れになる
  • 最低投資金額が、FXよりも高い
  • ギャップダウン・ギャップアップ時のリスクがある
  • 価格操縦などの仕手筋が存在する
  • ザラ場が限られている(9〜15時)

FXのメリット

FXのメリットは、まずはなんといっても、倒産や上場廃止リスクがないことです。

通貨自体がなくなる自体が起こる可能性は極めて低いので、初心者が財務状況の悪い企業の株を買ってしまい、倒産の憂き目にあい、大損失を喰うなんてことはありません。

また、流動性(取引量)がかなり大きく、価格が1ドル=0円とかになることはないので、上にも下にも動きにくいという特徴があります。例えば、1度買って持っていて、FXで10倍の利益をあげるということは現実に起きにくくなります。

FXはどうしても、細かく利益確定をして、利益を積み増していく必要があります。だからこそ、株のレバレッジは3倍まででFXは25倍まで可能なのです。

トレンドがあるとはいえ、ある程度のところまで行くと為替レートは必ず逆行して戻ってきてしまいます。そういう大きな視点で見ると、上場後、ずっと株価が右肩上がり、というような株式の優良銘柄のような値動きは取りにくいと考えられます。

もちろん、ある一定期間(数ヶ月〜10年くらいとか)の間、為替レートがずっと下がり続ける、もしくは上がり続けるという場合もあるかもしれません。そういう場合は確かにその波に乗り続ければ良いと思います。

ですが、20年、30年、50年とある株を持ち続けることで、配当、値上がり、株式分割などで大きな利益をあげる超長期投資のような投資方法は難しいかもしれません。

その分、数日〜数ヶ月の短期中期で見た場合、FXのメリットは大きいと言えます。

まず、ほぼ24時間稼働しているので利益機会が多いです。また、レバレッジが25倍まで可能なので、少額の自己資金でも利益を確保することができるようになります。

スワップ金利も毎日着くので、数日〜数週間で決済をするスイングトレードにも適しています。

さらに銘柄選びに時間を割くことがないので、自分が手がける通貨ペアの値動きを追い続けることができますので、その通貨ペアの軌跡を辿り続けることも可能です。

FXのデメリット

FXのデメリットとしては、株に存在するストップ安、ストップ高という値幅制限がないことが上げられます。

日本の東証における株式取引には、1日の値段の変動に上限下限の値幅制限があります。そのいっぱいまで値段が上がる(もしくは下がる)ことをストップ高(ストップ安)と言いますが、為替レートにはこの値幅制限がありません。

そのため、基本的には流動性が高く、しっかりとした実需に支えられるような為替通貨ペア(ドル、ユーロ、円、ポンド等)の場合は、比較的おこりにくいと言えますが、時に、流動性(取引量)が低く、国の買い支えなどの国策が入っている通貨は、大きなショックや政府の介入があることで、一気に為替レートが変動してしまう恐れがあるというのが一つのデメリットです。

有名なものとして、スイスフランショック、人民元切り下げチャイナショックなどは聞いたことがある人もいるでしょう。

どちらも政府の介入が招いたことですが、こういう巨大な力がマーケットに働いた場合、急な為替レートの変動を止めるような値幅制限がないというのが一つのデメリットになります。

株のメリット

利益を上げ続ければ、どんどん株価は上がる

株のメリットは、企業が利益を産み続ける以上、株価はどんどん上がっていくというシンプルさにあります。

為替の場合、基本的にはどちらかがずっと上がり続ける、もしくは下がり続けるというのは少ないです。むしろ、ある程度のところまで行くと戻ってきてしまうのが一般的な為替相場です。

株の場合、企業が生み出した利益を再投資して、さらに大きな利益を産み続ける以上、雪だるま式に大きくなっていきます。その利益の一部を配当金として、投資家はいただくことができます。

ソニーやトヨタのような大企業も昔はベンチャー企業だった訳で、そうやって利益を再投資して、どんどん会社を大きく強くしていき、配当を出しながら、企業体力をどんどんつけていった歴史があります。

その点、株は再投資を企業自身が自ら行ってくれるというメリットもあります。通常、投資したお金は、再投資することで複利で増えていきますが、投資家は、どれに再投資をするのかを決めないといけません。

ですが、株の場合、EPS(1株あたり投資家がもらう利益)のうち一部は配当として投資家に還元されますが、利益の一部は企業の内部留保として残り、それをさらに再投資することで、企業が毒実に複利を働かせてくれます。

もちろん、配当がない場合でも、企業の内部留保によって、利益を再投資することで将来大きく利益を生み出し、その時に配当をだすという風にしている企業もあります。

詳しくはこちらも参考にしてください。

無配当企業のメリットとは?配当金をもらえない株式投資でも意味があるんです!

 

また、為替にはないもう一つの株のメリットは株主優待があります。

日本株は株主優待が盛んなので、毎年もらえる株主優待を楽しみにしつつ、株式投資をしている個人投資家も少なくないようですね。

ちなみに、株主優待狙いは、基本的に年単位で投資する長期投資が前提になるので、為替ではなかなか難しい取引になる訳です。

株式の長期保有の注意点とは?長期投資をするなら考えたい3つの視点

株取引は透明性が高い

次に、私が個人投資家として、為替FXと株式投資の両方を経験してみて思うことは、株取引は、非常に透明性が高いという風に思っています。

まず、株の場合、全ての注文が「東証」に流れ「板」に集約されて売買を成立していきます。なので、どの証券会社を使った場合でも、基本的に株価や需給は同じになるので、公平性が高いです。

為替FXの場合、証券会社やFX業者によってチャートが違うというのもFXの難しさの一つになります。

これは、FXとは店頭取引であり、株のように板注文でどの証券会社で取引とは違い、「FX会社対投資家」の取引なので、FX会社によって若干チャートが異なってくるというものです。

もちろん、ものすごい大きな違いはありませんが、細かいところでは値段の違いが出てくるので、この不透明感を嫌う投資家も少なくないようです。

詳しくはこちらをご覧ください。

FX会社によってチャートや為替レートが違うのはなぜか|正しい取引価格はどこ?

 

また、株の場合「特定口座」の源泉徴収があるため、自分で税申告を行う必要がある為替や先物取引などに比べて、利益に対する納税が比較的簡単です

FXも株も、利益には一定の税金がかかるのは当たり前ですが、株の場合、特定口座の源泉徴収ありを選択しておくことで、証券会社が代わりに納税してくれます。

サラリーマンの方など、確定申告に慣れていない方にとっては、源泉徴収により確定申告の手間が省けるというメリットも大きく、計算なども自動でやってくれるので非常に透明性が高くなります。

株のデメリット

株のデメリットは倒産が起こりうるということです。

これはどんな銘柄でも起こりうる訳で、ある程度予知できますが、それでも必ずしも全ての企業の倒産を予知できるとは限りません。

また、倒産はしなくても、不祥事はどんな企業でも起こりうる可能性もあるということです。倒産は企業の財務諸表などを読み込むことで、ある程度「やばい」という予兆を感じることは可能ですが、不祥事に関しては突発的に発生するものなので、なかなか予想がつきにくいです。

 

他にも、株はザラ場(取引時間)が平日9時〜15時と限られています。

そのため、忙しいサラリーマンなど平日に仕事が入っている方は、なかなか取引時間中にリアルタイムでのチャートをみるのが難しいです。

せいぜい、朝や夜間、お昼休みなどで注文を出しておく程度のことしか難しいかもしれませんね。

また、15時以降にヨーロッパや米国などで発生した悪いニュースを織り込むと、前日終値よりも下で取引の始値がスタートするいわゆるギャップダウンが発生する可能性もあります。

ギャップダウンをして、当日中に値段が戻らないなんてこともありえますから、ロスカットをするまでもなく損失を出してしまうこともあります。

その他の注意事項

株のデイトレは、銘柄選びも重要

株式のデイトレをやるなら、銘柄が重要です。

デイトレをするなら、1日の中で値動きがない銘柄を扱わないと利益を取れないからです。

つまり、それなりの高ボラティリティ(値動きが激しい)銘柄でないと、証券会社に払う手数料分を加味すると、値動きが小さい銘柄をデイトレで利益をあげるのは現実的に難しくなってしまいます。

また、ある程度の出来高がないと、価格が上や下にどんどん飛んでしまい、思わぬ損失を食らうことがあります。

決済できれば良いですが、出来高が小さい銘柄の場合、売りたい価格で売れないなんてことが起こりうるので、そういう場合、納得しないような値段で約定することもありえるので注意が必要です。

株式をスイングトレードでやるなら、

東証で取引できる日本株式は、9:00-15:00と取引時間が決まっているため、今日の15:00の次は、翌日の9:00になります。

そのため、15:00前に買っておき、翌日に持ち越し、翌日の9:00以降の値段を見て取引をするという取引方法を取っているトレーダーも存在します。

東証の取引時間外でも、為替相場は動きますし、日本時間の夕方にはロンドン市場、22時以降はNY市場が開きます。ヨーロッパや米国の株価の動向の影響を全て織り込んだ数値として、翌日の9:00の東証の日経株価として現れます。

前日の終値から翌日の始値間で値段が飛んでしまう(ギャップダウン)というリスクを常に許容しなくてはなりません。

もちろん、この逆にギャップアップが起こり持ち越しによって利益をあげることができるということでもあリマス。

小さい小型株や値動きが低い銘柄だったとしても、デイトレでなく、スイングトレードと呼ばれる数日間持ち越す取引をすることで、上昇トレンドによって少しずつだが値段の上昇を享受できる可能性が高いです。

持ち越しによって数日間保有するスイングベースの取引では、当日の値動きよりも、翌日や翌週の値段が上がるか下がるか、中期的に株価の動きを予想する必要があるということになります。

もちろん、日中の9時15時での大きく値が動き、利益を取れる日もあるだろうからそういう場合はデイトレ的に利益確定をしたりするのも良いだろうが、、そういう日は1週間でも1回、2回程度とそこまで多くないのも現実です。

小資本でデイトレFX

初心者が小資本で、まずは試しにトレードを経験するなら、為替FXも良いでしょう。

為替は基本的に「ほぼ24時間」ずっと為替相場が動いているので、値動きに連続性があるため、途中で逃げたり、途中で利益確定することができます。

また、少額から始めることができるのも魅力です。

少額から取引できるFX会社はこちらで紹介してます。

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