【具体例】株の両建て(つなぎ売り)はこうやって使う!使い方を詳しく解説
別名つなぎ売りとも言われている両建てですが、実際にどういう場合に使うべきなのでしょうか。
両建てを行うトレーダーは少なくありませんが、具体的にどんな場合に利用されるのでしょうか。両建てを行うメリットやデメリットとともに解説していきます。
株主優待のクロス取引をする
株主優待のクロス取引として、両建てをするケースもあります。
優待クロス取引は、現物買いと信用売りを同一銘柄、同数で持ち権利確定日をまたぐことで、株主優待の権利を獲得する取引方法です。
最近は株主優待のクロス取引も有名になってきています。SBI証券などでは、優待取りの「クロス取引特集」が組まれていますので、具体的なやり方はここも参考にすると良いでしょう。
年末の節税目的のポジション調整
主に年末に行われるポジション調整の一環として、両建てつなぎ売りが使われることがあります。
年末付近で、持ち株を売却したいタイミングがあったとします。ですが、現物株を売ってしまうと損益が確定してしまうので、一年間の収益に影響を与えてしまいます。すると当初予定していた納税額も変わってきてしまいます。
そこで年末付近で現物株をどうしても売却したい時に、現物売りをするのではなく信用売りをすることで、損益を確定せずに年をまたぐことで損益の確定を防ぐやり方があります。
例えば、含み損がある現物株を売却してしまうと、そこで損失が確定してしまいます。なので、あえて、現物株を売却するのではなく、信用売りをすることで、下落リスクを抑えつつ、損失を来年に持ち越すことができます。
このように、年末に一年間の収支の調整として両建てを使うケースもあります。
トレード上の理由でする場合
トレンドに順張りしているが、レンジに入った
例えば、15分足、1時間足とかで強いトレンドが発生しており、そのトレンドが続くという観測でいたときに、しかし、1分足や5分足でレンジ観測になってしまったとします。
もちろん思惑の方向に進むと思っていますが、短期的には逆方向の可能性もあり得るというケースがあります。
そういう時に、反対ポジションを持ち、レンジ内でのスキャルピングをすることで、ポジションリスクを減らしたり、細かい利確を繰り返すことで収益機会を増やしたりすることができます。
節目があり、一度そこで止まりそう
次の例は、前回高値や、3000円とかのキリが良い値段のような明確な節目があり、その節目の付近をブレイクする場合でも、一旦そこでトレンドがストップすることがあります。
特に3000円とか、5000円のように呼び値が値段の前では、投資家の警戒感も高まるためにトレンドが一旦終息することがよくあります。
そんな場合でも、トレンドが継続しそうと思っている場合、その前に一旦両建てをして様子をみるという方法があります。
ストップ高が見えそうだが、ストップ高するかは分からない。
急騰急落時に秒単位の超短期のスキャルピングが可能
これは高度なテクニックですが、急騰や急落した銘柄は必ずといっていいほど、自律反発をします。その自律反発を狙うやり方です。
基本的には急落や急騰というのは強いフォースが発生しているので、逆張りとしても危険な投資方法ですが、両建てをしていれば、そのまま急騰急落し続けていったとしても損失を限定することができます。
差金決済に引っかかるため、現物を売却したくない
差金決済とは、同一資金で現物売買を複数回繰り返す場合を指します。
現物株を一度売却した場合、当日に買い戻せないケースもあります。なので、一旦、両建てをして様子を見ると言うことができます。
もし差金決済がわからない場合は下記をみてください。
https://faq.rakuten-sec.co.jp/faq_detail.html?id=2830400
デメリットや注意点
当たり前だけど手数料負担が2倍になる
超当たり前のことですが、ポジションを決済するよりも、反対ポジションを持って両建てする方が2倍の手数料負担になります。
ただし、楽天証券や松井証券の「いちにち信用」など、証券会社のサービスによっては手数料負担を減らすことはできます。
スプレッドの拡大してしまうことも
例えば、含み益のポジションがエントリーポイントに戻ってきた時に手仕舞うように逆指値をさしていたとしても、
そもそも、買い板と売り板のスプレッドが開きすぎてしまっている場合、そのスプレッドで損をしてしまうことがあります。
連日のストップ高、ストップ安になった場合、決済が難しいときがある
連日ストップ高、ストップ安になっている場合、買いか売りのどちらかがめちゃくちゃ強い状況にあります。
そのため、何日も寄り付かずという場合、決済がなかなかできない可能性があります。安易に両方の建玉を決済してしまうとどちらかだけが約定してしまい損失が拡大してしまう恐れもありますので注意が必要です。
ちなみに、このストップ安、ストップ高で注意したのが、保証金率が下回ってしまい追証になってしまう場合です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
両建てを行うケースに関して説明してきました。
メリット、デメリットを理解してぜひトライしてみてください。