リスクオフ地合いで、REITは買いか売りか?
J-REITなど、不動産投資信託は、リスクオフ地合いではどう対応したらよいのだろうか、今回はその点を解説していきたいと思います。
リスクオフでREITは売られる傾向にある
ファンダメンタルズ面で考えると、市況が悪化したりリスクオフになると、基本的にREITは売られる傾向にあります。
REITの収益はホテル・オフィス賃貸など不動産の運用になるので、景気後退局面などリスクオフになるとオフィス空室率が高まったりホテル稼働率低下をもたらすので、REIT収益の減少が見込まれるので、REITは売られるケースにあります。
東証REIT指数など、日本のJ-REITも基本的にはリスクオフ下落相場の局面では暴落しています。
2020年のコロナショックでは、それまで適温相場で上昇が続いていた東証REIT指数も暴落をしています。特に2019年の上昇が著しかったので、その反動でかなり売られました。
とはいえ、銘柄ごとの違いを意識する
リスクオフで株式などリスクある資産からの逃避が始まると、基本的にはREITの収益も下落することになるので、REITからの資産流出は続きます。
ただし、銘柄ごとによっては濃淡があるので注意が必要です。
例えば、住宅系REITの場合すぐに退去したり、解約されるというケースは少ないのでリスクオフ局面での下落は相対的に低くなるというケースもあります。
逆にホテル、オフィス賃貸、商業施設系のREITは景気の影響を受けます。住宅の場合、景気悪化局面がわかったとしても、人は簡単に引っ越したりしませんからね。
とはいえ、すぐにどうこうということはないとはいえ、やはり中長期的には影響を受けるのは否めないでしょう。
リスクオフ局面では、実物不動産市場よりも先に売られる
至極当然のことですが、REITの強みは流動性・換金性の高さですが、リスクオフ局面ではこれが仇となります。
株、債権などの金融商品などは換金性が高く、すぐに市場で売却できるので、リスクオフ局面ではすかさず売られる対象になることが多いです。REITも金融商品の一部で市場売却が容易なので、リスクに敏感に反応してしまい、暴落の初動で売られてしまう傾向にあります。
逆に、現物の不動産の場合、暴落の速度は遅くなります。
実物不動産の売買・契約には取引相手を探したり、契約事務などが必要だったりするので流動性劣ります。その分、現物不動産は家賃相場の下落、不動産価格の下落が緩やかな傾向にあるというわけです。
このようにREITは金融商品なので、一口あたりの投資家の保有価値というのは基本的に同じなので、他の投資家の狼狽売りや需給に影響を強く受けてしまいますが、
逆に現物不動産は一つとして同じ商品は存在しないため、他の投資家の狼狽売りに対して耐性は強いと言えるかもしれません。