なぜFXトレードは、テクニカル分析・チャートパターン通りにいかないのか

為替

為替FX、また株式投資、仮想通貨投資などをやっていると、

移動平均線、MACD、RSI、ボリンジャーバンドなど、テクニカル指標的にはシグナルが出ていたり、チャートパターン的には、三角保ち合い、上昇フラッグ、下降フラッグ、三尊天井が出ているなど….

明らかに、テクニカル指標や、チャートパターン的な上昇や下落が明確な時があると思います。

でも、なぜか、テクニカル通りに値が動かない….

という風に、テクニカル分析や、チャートパータン通りにいかない….。

それゆえ、ロスを食らって、含み損を抱えたり、大きなロスカットをしたトレーダーも少なくないでしょう。特に初心者の頃は、テクニカル指標やチャートパターン通りにいかず悩んでしまうケースが少なくないと思います。FXにテクニカル指標なんて意味ないとまで思ってしまうはずです。

そこで今回は、どうしてFXは、テクニカル分析やチャートパターン通りにいかないのかということを解説するとともに、テクニカル分析やチャートパターンをどう活かすのかを解説します。

FXはテクニカル分析やチャートパターン通りにはいかない理由

FXは、テクニカル指標やチャートパターン通りにいかないものです。

では、その理由はなぜでしょうか?

いくつかその理由をいくつか紹介していきたいと思います。

別の取引ペアで参加してる投資家の取引も、影響するから

例えば、ドル円チャートで、三角保ち合いが発生し、明らかに上値抜けたとします。

ドル円チャート上のテクニカル分析・チャート分析では、そこで買いのロングで入るのが正しいです。

でも、なぜか上昇していかず、下げてしまうことがあります。

これはなぜでしょうか?

 

確かに、テクニカル分析、チャート分析では、三角保ち合い抜けは付いていくはただしい判断です。

実際にそのような値動きをとるケースというのは、多いのではないでしょうか。

ですが、実際には、下げてしまうことがあります。

 

この理由を理解するためには、そもそもなぜドル円が動くのかということを理解すると良いでしょう。

なぜ、ドル円が動くのかは、「ドル」「円」の需給関係によって成り立ちます。

シンプルに、

  • ドルが欲しい人が増えれば→「円安ドル高」になります。
  • 逆に円が欲しい人が増えれば→「円高ドル安」になります。

 

では、ドルを欲しいという人は、円を持っている人だけでしょうか。

いいえ違います。

実は、ドルの需給関係というのは、ドル円為替レートだけでなく、ユーロドル、ポンドドル、ユーロ円、ポンド円、などの他の為替レートの影響も受けるのです。

そのため、ドル円のチャートだけで判断しても、チャート通りにいかないのです。

 

仮にドル円チャートで、上昇シグナルが出ていても、他の通貨では、ドル売りのチャートが出ている可能性があるため、想定通りに上昇しないのです。

このように、

ドル円相場に影響を与えるのは、ドル円チャートを見ている投資家だけではありません。

ドル円相場というのは、対他の通貨との関係もあるので、ドル円チャートだけの分析では判断できないのです。ドル円以外の他のチャートを見ている投資家の意思判断もドル円相場に大きな影響を与えるのです。

また、クロス円(対円の取引)でも同様です。クロス円のチャートを見ている投資家が、ドル円上昇とは逆のチャートシグナルが出ていて、そちらに取引をしている可能性があります。

このように、ドル円というのは、ドル円チャート以外の影響も受けるため、ドル円チャートのテクニカルやチャートパータン的に方向感がつかめたとしても、必ずしもその通りに動かないわけです。

他にも、新興国通貨や、他の金融資産、原油や穀物などの指数取引している投資家の判断も、ドル円に深く影響をしている可能性も十分あります。

同じチャートでも、背景が違うと、テクニカル通りにいかない

チャートパターン通り、テクニカル分析通りにいかないもう一つの理由です。

それは、同じチャートパターンでも、それぞれで状況、背景、それまでの値動きがまったく違うから、仮にシグナルが出ていても、必ずしもセオリー通りになるとは限らないのです。

長期的なトレンドの方向性、季節性、未決済ポジションの数や位置、ボラティリティ、材料前なのか後なのか、政治的な安定性など、すべてにおいて状況が違うのです。

そのため、同じようなチャートパターン、テクニカル指標でも、全く違う結果になるのです。

テクニカル指標は参考程度にし、大衆心理を読むために使うべし

テクニカル指標は、あくまで値動きに基づく指標です。そのため「テクニカル指標は基本的に遅行する」と言われています。

例えば、Moving Average(移動平均線)もそうです。移動平均線は、直近の過去の値動きに基づき、移動平均線がチャート上に現れているので、もし上昇シグナルが出ている時には、すでに昇り始めているという風にいえます。もちろん、移動平均線を使ったゴールデンクロスやデットクロス、さらにトレンド把握などはトレードにおいては非常に有効です。

ですが、必ずしもその通りにトレードすれば良いということではありません。あくまでテクニカル指標は、参考にする程度に考えるのが重要です。

 

私はこう考えてます。

移動平均線を見ているトレーダーが多い

移動平均線を見ているトレーダーは、こういうトレードをしてくるだろう

ならば、売り(買い)がここで入るだろう

だから私はこういうトレードをする

 

移動平均線などのテクニカル指標は、あくまで「そのツールを見ている人がどう考えるのか」ということを考えるために使います。

つまり、集団心理を考えるためにテクニカル指標を使います

 

テクニカル指標やチャートパターンというのは、投資家やトレーダーの間では、いわば常識(=セオリー)のようなものなので、誰もが知っている分析ツールです。

だからこそ、テクニカル指標やチャートパターン分析を当てにして取引するトレーダーが多いということで、それを逆手に取るトレードができます。

ただし、使い方としては、あくまでトレンドや他のプレイヤーの動きを読むために使うのが吉です。

テクニカル指標で買いシグナルがでるから買うのではなく、あくまで「他の投資家が買いを考える人が多いだろうな」ということを踏まえて、自分のポジションを考えるようにします。

こうすることで、テクニカルやチャートパターンに依存しすぎないトレードができます。

 

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