ユーロドルの上昇下落はリスクオン、リスクオフどちらなのか?

為替

世界で最も流動性(取引量)がある通貨ペア「ユーロドル」ですが、リスクオン、リスクオフの時はどちらが上昇し、どちらが下落するのでしょうか。

「クロス円」取引と違い、一見日本人には馴染みにくいユーロドル相場ですが、投資家のリスクオン、リスクオフのムードの相関性に関して考えていきたいと思います。

リスクオフ相場では、ユーロドルは下落することが多い

マーケットがネガティブになり、リスクオフムードの相場になった場合、ユーロは売られドルが買われるため、ユーロドルは下落する(ユーロ安ドル高)傾向になることが多いです。

なぜなら、ドルは安全通貨、ユーロはリスク通貨と見なされているからです。

基本的にリスクオフ相場では、リスクの少ない通貨が好まれて買われやすくなります。

リスクの少ない通貨とは、米ドル、日本円、スイスフランなどです。逆にリスクがある通貨は、ユーロ、ポンド、豪ドル、ニュージーランドドル、カナダドル、その他新興国通貨などです。

ドルは安全資産と見なされているため、リスクオフ相場では買われやすくなり、逆にユーロは売られやすくなります。そのため、ユーロドルは下落するというわけです。

反対に、リスクオン相場では、ユーロが買われドルが売られるので、ユーロドルは上昇します。

ユーロ圏の経済指標等によるリスクオフは警戒が必要

特に注意が必要なのは、ドイツやフランスなどユーロ圏の経済指標の弱さによる嫌気によるリスクオフ相場です。

そもそもリスクオフ相場の場合、ドルが買われたやすく、その他の新興国通貨をはじめ、リスク通貨は売られやすくなります。

その分、ユーロ圏に端を発しているリスクオフムードは、

  • ユーロ安
  • ドル高

の両方で、拍車がかかるので、ユーロドル相場大きく下落することになります。

そのため、ユーロドルを取引する場合、ユーロ圏における経済指標等も注視していくことがとても大切になります。

ドル円のリスクオフは…

ちなみに、ドルと同じく安全資産と位置付けられるのが、我らが日本の「円」です。

ドル円では、リスクオフ相場の円高。リスクオンの円安となる傾向があります。

皆が悲観的になりリスクオフ相場では、ドルは売られ円が買われる傾向にあります。そのため、ドル円相場しか馴染みがない方には、リスクオフのドル買いというのはあまりピンと来ない方もいるかもしれません。

ですが、円以外の通貨に対して、ドルは相対的にリスクオフの時には買われやすくなります。

これは、円はドル以上にリスクの少ない通貨と現状では見なされているからだということです。

そのため、ドル円においては、リスクオフ相場でドルは売られる傾向にあるのです。