日経平均株価の現物と先物の価格が違う値段をつける乖離理由は?|配当落ちを解説

株式

日経平均株価とは、日経225とも呼ばれ、日本経済新聞社が選出する東証一部上場企業の中から選ばれた225社の株価を平均値からなる日本株式の指標として最も有名な指標の一つです。

ですが、その指数を原資とする「日経平均先物」と、実際の225社の日経株の平均値である「日経平均現物」の価格が乖離して一致しない場合があります。

それはなぜでしょうか。なぜ、日経平均先物と現物が違う値をして、離れた値段になってしまうのか、ということについて解説していきたいと思います。

日経平均株価と日経平均先物の価格乖離の理由

配当落ち

一つは、配当落ちがあるため、3月末、9月末のタイミングで「先物<現物」という価格の乖離がおきます。

3月に決算する会社が多いので、3月末は配当の権利確定日があり、権利確定日をまたぐと、その配当分が現物価格から引かれます。

その分を加味して、権利確定日前には「日経平均先物<日経平均現物」というような現象が起こります。

当然、権利付き最終日を超えると、配当落ちがなくなるので、自然と「日経平均先物=日経平均現物」という感じで価格が落ち着くようになります。

ザラ場中に寄り付かない銘柄があると、現物と先物に乖離が発生する

例えば、日経平均株価構成銘柄の225社の内、とある1銘柄が大きな悪材料を発表し、ネガティブサプライズとして投資家からの失望を買い、ザラ場中に一度も寄り付かなかったとします。

このようにザラ場で一度も寄り付かず取引時間を終えた銘柄が1つでもある場合、当然ですが、その銘柄の価格は日経平均株価に反映されません。すると、本来あるべき日経平均株価よりも高い位置に現物価格があるような状態になってしまいます。

それに対して、先物価格はその悪材料を折り込みます。そのため、実際の日経平均株価の現物価格より低い位置で、日経平均先物の価格が推移することになるのです。

これによって、現物と先物の乖離が発生するのです。

例えば、2019年3月末に、日経平均株価構成銘柄の一つ、エーザイ(4523)が、米バイオジェンと開発中のアルツハイマー型認知症治療薬「アデュカヌマブ」の臨床試験中止を発表しました。このネガティブサプライズに嫌気した投資家の売りが殺到し、エーザイはザラ場中に一度も寄り付かずに取引時間を終えました。子によって日経平均先物と日経平均現物の乖離を発生させるという自体に陥りました。

このように、ザラ場中に寄り付かず、株価に反映されないようなことが起こると、先物と現物の価格に乖離が生じることがあるのです。