貸借銘柄に指定されると株価はどうなる?制度信用の空売りができることの株への影響

株式

貸借銘柄に指定されると、株価はどうなるのでしょうか。

一般的に、貸借銘柄に指定されると「制度信用取引」での空売りの売り建をすることができます。

新興銘柄などは、「信用銘柄」に指定されているだけで、制度信用での空売りができる「貸借銘柄」ではない場合があります。ですが、貸借銘柄に指定されることで空売りを制度信用取引で行うことができます。

そんな「信用銘柄」が「貸借銘柄」になり、制度信用取引でも空売りショートができるようになった場合、その後の株価にはどういう影響がでるのでしょうか。

株価は上がる場合もあるし、下がる場合もある

結論を言うと、貸借銘柄に指定されたあと、株価は上がる場合もあるし下がる場合もあります。

一般的なイメージとしては、、信用売りができるようになると、出来高も増えるし、踏み上げ相場が来ることで、株価が上下するようなイメージがあると思います。

確かに、そのイメージはある程度正しいと言えるでしょう。実際に、信用取引が盛り上がりすぎて、売り禁(新規売り建禁止措置)が東証から取られている銘柄の出来高は減っていく傾向にあります。なので、「貸借銘柄指定→株価上がる!?」って思うかもしれません。

ですが、実際のところは、

もともと、一般信用で空売りできる銘柄の場合、貸借銘柄指定のインパクトは限定的な場合が多いということになります。

特に一般信用取り扱いが多い「楽天証券」「SBI証券」などどの一般信用ではすでに売り建ができるなんてことも結構あるものです。

もちろん制度信用の空売りでは、SBI証券のハイパー空売り料、楽天証券の特別空売り料などは取られないので、コスト面では有利になる場合もあります。

ただし、流動性は向上する傾向にある?

ただし、貸借銘柄に指定されることで、制度信用での売り建ができるので、投資家が売りから勝負しやすくなることで、流動性が向上して、出来高が増えやすくなることは期待できるケースは多いです。

特に、短期勢による仕手株化したり、自社株買い、業績修正などのポジティブサプライズなどのカタリストが起こった時に、貸借銘柄であることで投資家は売買しやすくなるのは間違い無いでしょう。

もちろん、地合い、浮動株数、注目度などによって、銘柄ごとにムラはありますが、以前より流動性は高くなりやすいと言えるでしょう。

ちなみに、具体的なカタリスト(上昇材料)などはこちらを参考にしてください。

株価上昇のカタリストになりうる材料の10種類まとめ

そもそもの貸借銘柄指定の条件は?

当たり前ですが、東証に上場している全ての銘柄が、制度信用取引で空売りができる貸借銘柄な訳ではありません。

貸借銘柄に指定される条件があります。具体的には、日本取引所グループのHPで確認できますが、簡単にまとめると以下のようなものです。

  • 流通株式数:2万単位以上
  • 株主数:1,700人以上
  • 直近6か月間売買高:月平均100単位以上
  • 直近6か月間値付率:80%以上
  • 上場廃止見込み、上場廃止猶予期間、監理銘柄、整理銘柄、特設注意市場銘柄、規制銘柄ではないこと
  • 貸株調達量が適切な量が見込まれる

ざっくり言うと、しっかり流動性もあり、浮動株もそれなりの量あります、いわくつき銘柄じゃないです、って言う条件を満たしていることが条件と言う訳です。

つまり、貸借銘柄に指定されると言うことは、しっかりとした投資家に人気で注目もある銘柄ですよということのお墨付だと考える人も少ないようですね。

いずれにせよ、貸借指定がデメリットになることは少ないと考えても良いでしょうね。

ただし、くれぐれも、逆日歩には注意しましょう。