ゼロマージナルコストエコノミー(限界費用ゼロ社会)の本質を考える
ゼロエマージナルコストエコノミーは、限界費用ゼロ経済とも訳されています。。
Airbnb、uber、YouTube、アフィリエイトビジネスなど、ゼロエマージナルコストエコノミー(限界費用ゼロ社会)は、21世紀以降の成功法則とも言われている概念です。
そんなゼロエマージナルコストエコノミーの本質を考えたいと思います。
そもそもゼロマージナルコストエコノミーとは
限界費用ゼロ社会ということは、そもそも限界費用というものごとの本質を考えていく必要があります。
限界費用(マージナルコスト)とは、追加的な生産コストと呼ばれているものです。売上=生産、と考えると、売上を1単位増やすごとにかかる追加コストということです。
限界費用がゼロということは、10個売れた場合でも、100個売れる場合でも、コストは一定ということです。
具体的には、アフィリエイトの広告収入などがイメージがつきやすいのではないでしょうか。一つのWEBサイトで100万儲ける場合も、1万儲ける場合も、サーバー代や維持コストなどは常に一定です。
それは出来上がった既存インフラ(インターネット、Google検索など)のシステムの上で成り立つビジネスだからです。
つまり、ゼロマージナルコストエコノミーを利用するとは、売上がどんどん増えるけど、コストが一定のビジネスをやった方がいいよっていうことです。
ゼロマージナルコストエコノミーの本質とは?
変動費がほぼないので、利益率が尋常じゃないくらい高い
製造業や小売業などに比べて、ネット企業の利益率が異常に高い理由は変動費が低いからです。
メディアサイト運営などは、読者数が増えても、ほとんどコストは一定です。つまりアクセスアップをほぼ無料できる。固定費支出を払っていれば、ほとんど変動費がないということです。
厳密にいえば、ライターや記者を雇う人件費や、サーバー負荷がかかるのでサーバーのアップデートなどをすれば規模の拡大に伴いお金がかかりますが、それでも、人材投資も、低用量のサーバーでの運営にお金をほとんどかけなくても運営していくことは不可能ではなありません。
逆に、紙媒体のメディアである新聞や雑誌は、1件部数が増えるたびに、紙代、配送料、梱包の人件費などがかかります。そこが、大きなポイントです。
マーケット開拓費用が極端に小さい
マーケットの開拓には時間やコストがかかります。
「日清」という会社は、日本で最初にカップラーメンの技術を作った会社だと言いますが、そもそも、その発売当初は、日本人にはカップ麺を食べる習慣がほとんどなく、売上はほとんど上がらなかったと言います。そこで「カップラーメン」というマーケットを広めるために、日清は、あえて独自技術のカップラーメン製造技術を、競合他社に技術提供していったと言います。
これにより、競合他社もカップラーメンを製造をはじめ、少しずつ日本人にカップラーメンをたべる習慣が広まり、それにつれてカップラーメンの需要が増えて、結果的に、少しずつ日清の売上は伸びたと言います。
これは、非常にゼロマージナルコストを考える上で、重要なエッセンスになります。
日清は技術提供することでマーケットを大きくしましたが、もしその技術をすぐに競合他社に渡さずに、社内だけでマーケットを独占しようとしていたらどうだったでしょうか。
超大量の広告費を使って消費者の需要を歓喜したり、ユーザーの啓蒙をしていくことが必要になってしまいます。すると、採算が合わないという事態になりかねません。
日清は、競合他社も一緒になって築いてくれた「カップラーメン」市場というエコノミーに乗ることで、コストを抑えて、自社製品を売り込むことができたのです。