ADR上場廃止になると日本市場の株価への影響はどうなる
日本企業の株がアメリカ市場に上場されることもある、ADR(American Depositary Receipt)の株。
そんな日本企業のADRが米国市場で上場が廃止されると、どんな影響があるのでしょうか。
知名度への影響
ADRは通常、米国市場で取引される外国企業の株式を代表するものであり、ADRの上場廃止は日本市場に上場しているその銘柄には直接影響を与えません。
ただし、企業の国際的なイメージや資本調達に一定の影響がある可能性があります。それはADRに上場していることでアメリカ市場の取引参加者の間の知名度の拡大に一定の寄与があるからです。
株主構成の変化
ADRが廃止されることで、もともとADRを通じてその会社の株を購入していた株主が、廃止後には日本市場(東証)でその銘柄を取引する必要が出てくる可能性があります。これにより、株主構成が変化する可能性があります。
もちろん株を買うということになればその分需給的なインパクトはあるのでそういう意味では間接的に需給はあるとは言えるでしょう。
規制面での対応
ADRが廃止された場合、その会社の株を購入する場合、東証市場での取引になります。
大株主になることは日本の法律のもとで取引することになるので法的な手続きなどが必要になります。
またADRは米ドル建取引ですが、日本市場は円建てなので海外投資家からしたら為替リスクを負うことになるのでそれにより海外投資家の売買スタンスや戦略が変わり、それが需給として日本市場のその銘柄に影響を与える可能性はあります