TOBの成立条件とは?どうなると不成立で失敗になる?
株式投資においてイベント投資として有名なものとして企業の株式を公開買い付けを行ういわゆるTOBによる買収があります。
そんなTOBに関してですが、稀にTOBが不成立となる場合があります。
そもそもTOBはどうすれば成り立つでしょうか?
そこで今回は、TOBが不成立になる場合を想定したTOBの成立条件の解説していきます。
TOBの成立条件とは
TOBの成立のためには、TOBを仕掛ける側が提示している条件を確認する必要があります。
例えば、買い付け予定数の下限を確認するなどです。
企業のTOB開始の開示によっては、
「発行済株式総数の〇〇%を買い付け予定数の下限と定めており、それを満たさない場合は、株式の買い付けを行いません」というような文言が入っている場合もあります。
その場合、ホワイトナイトの出現によってTOB価格が引き上げられたり、大株主の意向として株式の売却を拒んだりした場合、TOBを行う条件でもある「買い付け予定数の下限」を下回ってしまう場合があります。
その場合、TOBが不成立になり失敗となります。
個人投資家や機関投資家などのいわゆる投資のリターンを求める投資家からしてみれば、より有利なTOB価格に応じないということは基本的にはないわけです。
ですが、例えば、大株主が何らかの事情でTOBに対して反対表明をしている場合や、TOB合戦などによってより有利なTOB価格の提示がある場合、そちらのTOBに対して応募してしまうため、TOBが不成立になるケースもあるわけです。
TOB条件の確認方法
では、TOB条件を確認する方法はどうしたら良いのでしょうか。
TOB条件の確認は、TOBを仕掛ける側の企業がリリースした「適時開示」を読みましょう。
適時開示は、「TDnet」で確認したり、過去にさかのぼるのであれば、楽天証券やSBI証券など証券会社の個別企業のページから確認することができます。
TOBに関する開示は、なかなか長いページ数ですが、大体は「株式公開買い付けの概要」みたいな箇所に書いてありますので、そこを確認すると良いでしょう。
というか、TOB投資をするならば、TOBに関する企業からのリリースはしっかりチェックしておきましょう。
大株主の意向もチェック
ちなみに、状況によっては大株主の意向も重要になります。
特に大株主が上場企業の場合、既存株主に対する責任があります。
そのため、大株主がどういう対応をしているのか、と言うことも確認しましょう。
基本的にはニュースなどからCEOや社長など重役のインタビュー確認するか、リリースを出しているかもしれないので、この場合もしっかり適時開示を確認しましょう。
よくわからない場合は「株探」や「Yahoo!ファイナンの掲示板」での投稿を検索してみるのも良いでしょう。
その他の方法:パックマンディフェンス(超マイナー)
ちなみに、すごくマイナーな方法として「パックマンディフェンス」という方法があります。
敵対的なTOB買収をかけられた企業が、逆に相手に買収をしかけることで買収防衛する方法です。
相手企業の株式の4分の1を取得することで、相手企業が保有する株式の議決権は失われるという制度になっています。
ただし、本来取得するべき理由が明確でない企業の株式を大量に取得するということになるので、既存株主の賛同を得るのが難しく、株主価値を毀損するようなケースが多いので、日本でパックマンディフェンスが実施されたことはないようです。
まとめ
TOBの開示は非常に重要な情報です。
どうやってTOBが成立するのか、そしてTOBが成立するにはどういう条件があるのかはしっかり確認するようにしましょう。