自営業フリーランスが独立起業するとかかる税金や保険料等を解説

ビジネス全般

独立起業して自営業フリーランス(個人事業主)になるとかかるお金があります。

個人事業主になると、サラリーマンではかからなかったお金がかかります。

厳密には、サラリーマンの時に給与から引かれていた税金や公的保険料を自分自身で払っていくことになります。

個人事業主が事業をする上でかかるものといえば以下のようなものがあります。

  • 事務所家賃
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 消耗品費
  • 交通費
  • 作業代
  • 交際費
  • 顧問料

ですが、いざ独立して個人事業主になると、実は事業にかかるお金もそうですが、自分自身にかかる税金や社会保険料などの対処をすることになります。

サラリーマンの時は自動的に支払っていたが、個人事業主(フリーランス)になると自分で払う必要があるお金とは?

所得税・住民税

個人事業主になると所得税と住民税を自分で申告して収める必要があります。

サラリーマンの時は給与天引きされていて、会社が自分の代わりに所得税と住民税を払っていてくれました。

では、個人事業主にどうなるのか…というと、基本的にはお客さんから自分の銀行に振り込まれるお金は所得税と住民税は天引きはされません。(一部源泉徴収をしてくれるクライアントもいますが)

なので、毎年必ず、後から自分自身で国や地方公共団体に税金を自分自身で収める必要があります。

具体的な計算方法などは、確定申告の時に、

  • 売上-経費=収益-様々な控除

上記の計算式で算出されますが、細かい説明はここでは割愛します。

国民年金

国民年金も、サラリーマン時代に給与天引きされていましたが、独立して個人事業主になると国民年金も自分で納付する必要があります。

年金なんてもらえるか分からないし…ということではいけません。

基礎年金、厚生年金には、老後にもらえる老齢給付だけでなく、高度障害を負った時にもらえる「障害給付」や、自分が亡くなった時に夫、妻、子供などに支払われる「遺族年金」などがあります。

ケガや病気で高度障害になった時や、自分が亡くなった時に遺族に年金が公的保障として支払われる仕組みが年金にはあるのです。

ちなみに、自営業やフリーランス(個人事業主)などは、厚生年金の加入がなくなるので、その分、受け取り金額が少なくなります。

そのため、十分な貯金ができていない場合は、老後の資金、障害になった時の資金、死亡した時の遺族保障などを民間保険でカバーしていく必要があります。

【詳しくはこちら】

フリーランス自営業(個人事業主)の貯蓄方法。老後資金の貯め方・節税などを紹介

自営業フリーランス(個人事業主)が入るべき民間保険とは?

国民健康保険料

病院で提示する保険証は、サラリーマンの場合、組合健保や協会けんぽなどから保険証を使うと思います。

これはいわゆる「社険」と呼ばれているもので、サラリーマンの方が、業務外の傷病、負傷、死亡(主に病院代など)を保障してくれる制度です。いわゆる病院での「3割負担」というやつです。その残り7割が保険制度から支払われているというわけです。

では、個人事業主の方は、傷病、負傷、死亡、などの時に病院での医療費が全額負担なのか…と言われればそうではありません。個人事業主の方は、国民健康保険(国保)に加入することになります。

基本的には国民健康保険でも、傷病、負傷、死亡などを保障してくれます。

ただし、社保との違いとして、傷病や負傷にかかった人が療養のため働けない期間にもらえる「傷病手当金」がないため、個人事業主の方は、ケガや病気で働けなくなった場合の保障を少額でも良いのでかけておくと安心でしょう。

【詳しくはこちら】

自営業フリーランス(個人事業主)が入るべき民間保険とは?

個人事業税

個人事業主をやっていると、個人事業税を払う必要があります。

計算式は下記で求められます。

  • (収入 − 必要経費 − 専従者給与等 − 各種控除)× 税率 = 個人事業税

ですが、個人事業税は、1年間運営していることで一律290万円の控除があります。

なので、年間290万円以下の場合は、納税をしなくてもいい扱いになります。

消費税

個人事業主をやっていると、消費税の納付も必要になります。

納付額は、下記です。

  • 年間課税売上高×税率(2018年現在は8%)

ですが、すべての個人事業主が払うのか…と言われるとそうではありません。

年間の課税売上高が1,000万円以上の方が課税対象なので、売上高が1,000万未満の場合は納付は不要になります。

ちなみに、収益額1,000万ではなく、売上高1,000万を超えた場合なので、その点は注意が必要です。

とはいえ、事業開始1年目から年間1,000万を超えることは稀なので、特別に意識する必要はないかもしれません。

フリーランスが身につけておくべきお金の教養や知識とは?

稼ぎ方も重要だが、使い方も重要

フリーランス(自営業)になると使えるお金が増えます。

それは経費という手段を使うことができるからです。独立すると経費という形で、事業で得たお金を使うことができるようになります。

何か事業に投資したり、人との交流に使ったり、大きな設備投資をしたりなど。経費を使うことで、私生活では考えられない金額が出たり入ったりするようになります。

お金は大きな魔力を持っています。大きな金額が動かせるようになっても、その使い方を間違えてしまうと取り返しがつかないことにもなりかねません。独立の成功はお金の稼ぎ方だけでなくお金をどう使うのか、ということも重要なのです。

売上が100万、200万、500万、1000万と増えていくごとに、自分の手元には大きな金額がやってきます。それを何に使うのか、それとも残すのか。独立すると常にお金の使い方にも向き合う必要があります。

「お金がたくさん使えていいな」ではないのです。

売上を何に使うのか…というのは、将来の事業の行く末を決める重要な判断になるのです。

どんなに稼いでも、独立すると1年後の不安は消えません。今年よくても、来年はダメかもしれないという危機感を常に持つことになります。だからこそ、お金の使い方を勉強するべきなのです。

大きな事業ほど入金が遅いもの

私が学生時代、経営者の先輩方に言われたことでこんなことがあります。

「大きな事業ほど、入金が遅いもの。目の前のお金を求めると、いつまでたっても大きな売上を得ることができない。大きな入金が欲しいなら、長期的な戦略を考えるべし」

重要なのは、長期的な視点というわけです。

大きな仕事ほど入金が遅くなる。大きな事業とは、大きな収益を期待できる事業や仕事ということでしょう。そういうものほど入金が遅くなります。

最初の1年目は、とにかく目の前の売上に必死になるのは必要ですが、なるべく半年後、1年後を見据えた動きを、今からしていくことが大切です。賢い起業家は今の収入よりも、常に将来の収入の先回りをしています。もちろん、目先のお客さんを大切にすることも重要ですが、鷹の眼を持ち先を見通す眼力も合わせて必要になるのです。

まとめ

独立起業して自営業フリーランス(個人事業主)になると、案外自分で支払わないといけないものって多いものです。個人事業主になると、サラリーマン時代に手取り金額の少なさに嘆いていた給与天引きも、実は裏では年金、税金、公的保険料などがきちんと支払われていたので、なんとありがたくて楽なシステムだったかがわかります。

起業独立前の方は、合わせてこちらの記事も読むことをオススメします。

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