FXの機会損失への向き合い方|急騰急落トレンドに乗り遅れ、置いてかれる感情に打ち勝つ方法

為替

「ここでポジションを持っていたら利益出てたのに…」

相場が自分の思惑通りの方向に動いたのにも関わらず、その時にたまたまエントリーを見送り、ポジションを持っていなくて、トレンドに乗り遅れてしまう。

そうなると、値動きはどんどん進んでいくのに、自分だけ置いて行かれ取り残されてしまう感情をもつことってありますよね。

特に、少しコーヒーを淹れに行った隙に…たまたま自分が見ていなかったタイミングで急騰急落があったりなど。

 

そうなると、

「待たないで、あそこで勇気を持ってエントリーすればよかった」

という風に思ってしまいますよね。

そんなFXや相場に対する「置いて行かれた」という機会損失にどう向き合うべきでしょうか。

正直、FX以外の株式、仮想通貨、先物など、金融商品だったらどんなものも同じように乗り遅れによって置いていかれている機会損失を感じることってあると思います。

今回は、そんな相場で機会損失を感じてしまう場合はどうしたらいいのか、ということを述べます。

相場に置いていかれる機会損失への対処法

相場は必ず戻ってくるということを、よく理解する

相場が自分の想定した方向に動いた時でも、相場はほとんどの場合戻ってきます。

ほとんどといってもいいでしょう。

相場は一方方向ということはなく、必ず右往左往しながら、上に行ったり下に行ったりします。

特に為替相場に向き合うFXの場合は、通貨ペア同士の相対評価なので、ストップ高やストップ安がある株式や、世界に開かれた仮想通貨市場などと比べて、一方方向だけというのは考えにくい相場です。

そのため、相場というものは、一方方向に進むだけでなく、必ず利益確定や思惑による逆張りが入るので、戻しの場面というのを必ず作ります。

もし、高騰急落後の、高値安値をそれ以上に超えていくと思うなら、高騰急落前の水準まで戻ってきた押し目で入ればいいのです。

問題は、すぐに押し目があることを期待しないということです。

押し目を作り、高騰急落前水準に戻すのは、数分後かもしれませんし、数日後かもしれませんし、数週間後かもしれません。

すぐに戻ってこないからといって焦って入ると、高値つかみをすることになってしまい、ちょっとした反発で含み損を抱えてしまうリスクがあります。

もし自分が本当にそのトレンドが続くという風に思うのであれば、そのトレンド相場が作る押し目をしっかり待って入れば良いのです。そうすることで、自分が入りたい方向のポジションを持つことができます。

指値注文でも良いですし、なるべく多くの時間相場に張り付くことで監視するのも良いでしょう。

何れにせよ、本当にトレンドが続くという風に思うなら、高騰急落前水準の所に戻ってきたらエントリーできるように指値注文を入れておき、その機会をずっと待っていれば良いのです。

そもそも、相場は時給制ではない

そもそも、相場は「時間対効果」や「時給」的な考えを持ち込むと非常に危険です。

相場に向き合う以上、「これだけ相場に向き合う時間があったなら、他のことができたの….」みたいに「時間がもったいなかった」的な感情を相場に持ち込むと、相場で大負けする可能性すらあります。

FXにしろ、株にしろ、先物にしろ、相場というところからリターンを得る為には、投下時間というのはあまり関係ありません。なぜなら、相場は自分の都合で動かないからです。

あくまでマーケットの都合で自分の儲けや損失が決まるのです。だから我々投資家はマーケットに合わせるしかありません。

 

たまたまPC前に張り付いてたら10分で20pip儲かることもありますし、1日張り付いても1~3pip程度の儲けしか取れない時や、むしろトータルで結局損失になってしまう日だってあります。

1日張り付いてコツコツ利益を積み重ねたものを、ものの数分の急騰急落で全部吹き飛ばしてしまう「損大利小」を経験したことがある人は少なくないでしょう。

これって、例えば、ビジネスや、お勤め、アルバイトなどではあり得ない話です。

ほとんどの仕事が、基本的には、投下時間に比例してリターンがあります。働いた分だけ時給や月給がもらえますし、長時間労働すれば残業代だってもらえます。自営業でも、営業活動の時間、商品作り込みの時間、その他の商談の時間など、基本的には投下時間に応じて、リターンが高くなるのが特徴です。

一方で、投資は相場の地合いや読みが良くないと、いくら時間を投下しても儲かりません。ずっとレンジを構成しているような保ち合い相場で大きな波動を取ろうとしてもなかなか儲かることはないはずです。

もちろん、投資も長い目で見たら、長時間相場と向き合うことによって経験値として蓄積されトレード技術が向上するので、その分リターンが高くなります。

ですが、今日、明日儲ける上では、投下時間とリターンは正比例するとは限りません。

このことをまずは理解して「張り付いている時間がもったいなかった…」という気持ちから脱却することが大切です。

機会損失の正体は焦り

「ああ…入ってればよかった」という風に、過ぎ去ってしまった過去を悔いて、取り残される感情を抱いてしまうのは、そもそも焦りがあるからです。

「貴重な時間を使って、相場監視していたのに、自分がエントリーしていない時に限って上昇してしまった….」という風に、悔しい気持ちになったり、置いていかれる気持ちになってしまうのは、余裕がないからです。

キツイことを言いますが、これは事実です。

もし自分の経済的にも心理的にも余裕があり、10億円の証拠金を持ってトレードしていたとしたら、急騰や急落を見ても、そこに飛びつくという気持ちは起こりません。なぜなら、その金額を失ってしまうリスクがあることが理解できるからです。

焦りを感じてしまうのは、今の自分の状態に対する怒りや焦りが原因です。

「早くこの証拠金を増やしたい」「億り人になって早く今の暮らしから脱出したい」という風に、焦る気持ちから、高騰や急落を見ると、後悔の念が進み、間違ったトレードをしてしまうのです。

もちろん「頑張らないと!」という気持ちは時に重要ですが、相場判断の時にその感情を持ち込むと、高値掴みをしてしまったり、利食いや損切りを間違えてしまうなどのようなことが起こります。

あくまで冷静に判断するのが大切です。(まあ、実際は言うは易く行うは難しですが…)

とはいえ、もっと気持ちに余裕を持ってエントリーするようにしたり、そもそも運用資金は余裕資金の運用程度にして、まずは相場に合わせる気持ちを養うことを目的に取引できるような自分にとってストレスが少ない金額でトライするようにしましょう。

高騰や急落を見て、後悔してしまうようなメンタル状態で、勝ち続けることは難しいのですから、まずは少額でトライして、自分のメンタルを鍛えることが大切です。

機会損失は、損失じゃない

最後に、そもそも機会損失は、損失ではありません、ということを伝えたいです。

もし、高騰や急落をみて、悔しい気持ちになったら、是非一度のぞいて見て欲しいことがあります。

 

それは「証券会社の証拠金」です。

どうですか?減ってますか?

 

投資家、トレーダーである以上、悲しんでいいのは、自分の証拠金が減った時です。

仮想通貨がいくらバブルになろうがなかろうが、〇〇という銘柄がストップ高になろうが、投資家にとって重要なのは、自分の証拠金(投資資金)が増えたのかどうかということです。

それ以外のことは、自分の投資家人生に大きなダメージを与えることではない。

自分がそのバブルや高騰急落に乗り遅れたなら、それを所与のものとして受け入れて、その相場を見続けなければいけない。

高騰や急落をした後の相場(=現時点)において、そこでどういう取引を選択するのか、もしくは選択しないのかということが投資家にできることです。

急騰急落前に時間を戻すことはできませんし、自分が乗り遅れたという事実は消すことはできません。

それを踏まえて、次のアクションを淡々と見つめて、それを実行していくのが本物の投資家です。