公募売出(PO)は浮動株比率に影響はあるのか?

株式

公募増資売出や立会外分売などで大株主などから株が売り出されたり、増資によって発行済株式総数が増えた場合、浮動株比率に影響はあるのでしょうか。

今回はこの点について解説していきます。

公募売出によって浮動株比率が変わることもある

結論からいうと、新株発行や売出(PO)によって実際に浮動株比率が変化することがあります

新株発行で発行済株式総数が変化したり、固定株主の売却によって市場に流通する株数が増加することで固定株数が変化したりします。

特に大規模な公募増資の場合、需給に大きな影響を与えることもあります。例えば、2020年のコロナショック下でPOを行ったJALとANAは、それぞれ約30%程度の希薄化で会社の浮動株比率に大きな影響を与えました。

このように公募増資株への投資で需給を考える時には浮動株の影響も考える必要があります。

浮動株比率の影響でリバランスが発生することも

ちなみに、浮動株比率が変更になることで、TOPIXやMSCIなどのリバランスが行われることがあります。これらの指数ベンチマークに連動するように運用しているパッシブファンドによって機械的な需給が発生します。

たいていは、浮動株比率が上昇することで、ファンドなどによる機械的な買いが見込まれる買いの需給イベントとして捉えられるケースも多いです。

前述のANA、JALがPOを実施した際には、TOPIXの浮動株比率の変更によって、投信やファンドなどが機械的に買い入れるリバランスが受渡日の数日後に発生しました。

実際にどの程度が見込まれるかなどはあくまで試算になるので注意が必要ですが、公募増資の受け渡し前後に、証券会社やニュースサイトなどの記事をチェックしたり、Twitterを確認することである程度推測ができます。

大規模な公募増資の受渡前後に日経新聞などで検索すると関連した記事が見つかることもあります。