陰線とギャップダウンの違いとは?その後の値動きに与える影響
株やFXや先物など、投資でトレードをしていると、チャートで監視銘柄が下落していく場合もあります。
ですが、同じ下落でも、陰線による下落と、ギャップダウンによる下落では意味が違います。その銘柄に対する投資家のポジション動向が陰線とギャップアップで違うので、その後の値動きに大きな影響を与えます。今回はその違いを紹介します。
ギャップダウンによる下落の特徴は、真空地帯が生まれる
ギャップダウンによって、その空白となった価格帯ができます。そのため、真空地帯のその価格帯で取引している投資家がほとんどいないということになるわけです。
その価格帯で取引している投資家がいないとどうなるのか、というと、それは、下落にせよ上昇にせよ、その価格帯でトレンドが中断しにくくなるということです。その価格帯は一気に突き抜けやすくなるということになります。
いわゆる「窓埋め」という現象です。
なぜこういう値動きになるかというと、その価格帯付近で買いにしろ、売りにしろポジションを持っている投資家が少ないので、利益確定は入りやすく、損切りは入りにくくなるからです。
例えば、1200円の株価が1000円になってギャップダウンし、その後1100円付近に上昇したとします。この場合、1200円まで戻すケースが多いのです。
1200円の売りポジを持っている人は、含み益が減りそうになるから1100円付近までくるとはやく利益を確保しようと利食いの買い戻しをしてきます。(買い需給)。
逆に、1200円の買いポジを持っている人は、含み損がチャラになる1200まで上昇するまで待とうとするので売りが減ります(売り供給の減少)。
そのため、この真空地帯の1100円付近は上昇が加速して、通過しやすくなり1000円→1200円の値動きは加速しやすくなるということになります。さらに、この特徴を知っている投資家の新規の買いエントリーも入りますので、よりこの動きに拍車をかけることも多いわけです。
逆に、陰線の場合はどうなのか
陰線は、ギャップダウンと違い、その価格帯で取引している投資家が増えることになります。
例えば、1200円→1000円と株価が辿った場合、1150円で、1100円で買っている人、1050円で買っている人が存在することになるのです。
すると、それぞれの価格帯では、やれやれ売りが出てきやすくなり、上値が重くなる傾向にあります。
また出来高を伴う場合、余計そこで買った投資家の数や、投資家が建てたポジション量が多くなると、さらに需給関係が悪くなるのは想像できるでしょう。
そのため、ギャップダウンに比べて陰線を引いて、下落した場合、一般的にはその後の上値が重くなる傾向にあるという風に言われています。
ちなみに、陰線の場合は、下落の仕方にも注目しよう
以上のようなギャップアップと陰線の特徴を述べてきましたが、
陰線の場合だったとしても、一瞬の急落の場合ギャップダウンの場合と同じくその価格帯で取引できている投資家が少なくなってしまう場合があるので注意が必要です。
例えば、パニック売りで数秒で一気に下落してしまった場合や、そもそも板が薄い銘柄に一時的に大口の投資家が投げ売りが入り一気に値段が下に飛んでしまった場合、また、ザラ場中に連続的売り気配が出て取引停止になり、その後かなり下で寄り付いた場合などです。
これらのパターンは、確かに日足で見た時に陰線を引くことになりますが、実際はギャップダウンと同じように、その価格帯で取引した投資家が少ないケースの場合もあります。
逆に、押し目を作りながら、移動平均線に沿ったようなトレンドで下落した陰線の場合、多くの投資家がそこで売買して価格が下落していった場合になります。